こだわりの一品


 


■第2回 2005.02.24  日本製ナイフ 肥後の守「定駒 (中)

肥後の守と言うと、子供の頃に文房具屋で売っていた安物ナイフを思い出す人も多いはず。文房具屋でというのは、鉛筆を削ったり、工作をしたりという、子供向けの道具として売られていたのではないかと思います。残念ながら私は現役世代ではなく、ナイフと言えばカッターナイフ(又はボンナイフ)を主に使っていたのですが、親の世代では使っていたらしく、家の机の引き出しに1、2本入っていたことを覚えています。まだ危険な道具として禁止されるような時代ではありませんでした。

肥後の守について調べてみると、以前は非常にたくさんの製造者があったようで、数え切れないほどの種類があるそうです。さすがに現在はナイフというものを使わなくなってきたせいか、いくつかしか製造されていないようです。その中でも、この”肥後の守定駒”は、手作りながら安価で高品質のものです。

安物にはただのステンレス刃のものがあるようですが、これは軟鋼の間に”青紙”という、タングステンとクロムを混ぜた鋼鉄を挟んで焼きいれ、鍛造された、いわゆる日本包丁と同じような作りとなっている本格派です。特大、大、中、小、豆と、各サイズありますが、できるだけ小さいサイズで実用範囲のものとして中サイズ(刃渡り7cm)を購入しました。
ひとつひとつ手作りなので、刃の形とか開き具合、ヒンジの硬さ(調整可能)などが異なります。よっぽど悪い物でない限り実用には問題ないので、あまりこだわらないで個性と思って入手するのが良いでしょう。


使わない時は刃を折りたたんでしまっておくことができるので安全です。欧米型のナイフに比べて貧弱な感じもしますが、あちらはもともとサバイバル目的で作られたものですから、”凶器”のイメージが強いですね。こちらは”文房具”ですから、やさしさを感じます^^

驚きなのはその切れ味です。買ったばかりの時はどうってことない普通のナイフだったのですが、2度くらい研いでからは切れ味抜群。今まで鉛筆を削るのが下手だったのですが、これを使ってからはびっくりするほどレベルアップしました。木の部分から黒芯の部分まで、一直線に削れます。 カッターとは比べ物にならない刃の太さなので、刃が折れる心配をしないでダンボールの荷物を開けるときにも使えます。

残念なのは、果物の皮むきなどに使えないこと。結構簡単に錆びるので、使った後の手入れが大変なのです。


刃先です。ちょっと乱暴な使い方をしているので汚いですが、研ぐとまるで日本刀のような刃紋が出てきます。 割り込みで作られている証拠です。 カッターよりも使いでがある肥後の守。だいたい1400円前後で購入できます。筆記用具入れにひとつ入れておくとなかなか便利なものですよ。

 

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