こだわりの一品


 


■第3回 2005.02.27  NTカッター A-300

カッターナイフは、安価で刃を研ぐ必要がないという便利さから、どこの家庭にも普及し、現代のナイフとも言えるようになりました。安いものは100円程度で買えるので、見当たらなくなる度に買い増して、多い人は3、4本持っているということもあるのではないでしょうか。

NTカッター
は、カッターナイフを世界で初めて開発・商品化した会社です。当時自社で転写紙を切るのにかみそりを使っていたのですが、すぐ錆びるので作業者がかみそりの刃を折って使っていたところにヒントを得たようです。1959年に発売を開始、このA-300は1972年から販売され続けているベストセラーです。独特な形と色は、見覚えがある人も多いと思います。

カッターナイフの性能は刃で決まってしまうので、正直言うとどのカッターを使っても作業に差し支えがあるものではありません。 300円で購入できるこのカッターですが、100円程度の安価品と異なるところは、中心部が金属製で耐久性が(比較的)高いこと、刃の出し入れがスムーズ、またグリップ部の形が良いので作業のしやすさが絶妙に良いです。 各メーカーからさまざまなモデルが販売されている中で、30年もの間売られているというのは、それなりの人気があってのことでしょう。

他メーカーの同等商品を見るともっと文房具的というか、垢抜けたデザインのものが多いのですが、NTカッター製品は使いやすさを優先したデザインなのか、全体的に地味な感じです。


裏面もシンプル。刃折り器具が後部についています。クリップのようになっていますが、ポケットに差しておくのは危ないと思います。30数年間で、若干のマイナーチェンジを行っているようで、手元にある80年代製と思われるものは、裏の溝の本数が多く、また刃折り器具の設計が異なります。成形の関係で若干のコストダウンを行っているようですが、機能に影響を与えるものではないでしょう。

このA-300をベースとして、様々なバリエーションが展開されています。スケルトンカラーのiA-300P、再生プラスチック採用のeA-300、メタルボディのA-300G他、オートロック機構付きで左右両利き対応のA-300R、これのカラー展開、また最新のものではアルミダイキャストボディでゴムグリップ付きのA-400GRPという製品も登場しています。

決して高級なものではありませんが、数ある商品の中からお気に入りの一本を探してみるのも楽しいものですよ。

 

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