こだわりの一品



■第44回 2008.11.01 スピーカ

80年代後半、一般向け音響機器で、重低音が流行になったことがありました。ラジカセではドデカホーン、ポータブルカセットプレイヤーでは重低音回路が組み込まれ、比較的小さなスピーカーやヘッドホンでも、スイッチONで迫力のある音が聞けるようになり、各メーカーとも競って採用していったものです。

これは一種のブームだったようで、音楽の流行と共に聞きもMDプレイヤーやMP3プレイヤーと変化し、現在ではほとんど搭載されなくなりました。オーディオブームだった頃の大型スピーカーも、近頃はめっきり見なくなりましたね。


BOSE PAM-3 (古い写真なので画像が悪いです)

90年代初頭に購入したBOSEスピーカーです。音楽マニアに言わせるとBOSEは音が綺麗でないとの評価が多いですが、重低音ブームで育った私にとっては衝撃のモデルでした。1983年の発売以来、現役モデルでもある”101MM”というモデルをベースとしていますが、これに超強力アンプを内蔵させコンシューマ向けとして発売されたのが、”PAM-3”です。

初めて店頭で見たときは、ちょっと大きめのスピーカーだなぁと思っていた程度でしたが、音量を上げていくと、過去に聞いたことの無い、クリアーで迫力のある重低音が聞こえてきて驚いたものです。ちょっと高かったのですが値段は無視して速攻購入。音楽のジャンルに関わらず10年近く大活躍してくれました。今でも動作すると思いますが、事情により休眠中です。

当時既に高音用のミニスピーカーと重低音専用の大型ウーファーを組み合わせるユニットタイプが出てきていましたが、このモデルはそのようなシステムになる前の最後の機種でした。その後いくつか後継機が出てきたはずですが、PAM-3ほど迫力のある音が出るものは無かったと記憶しています。同じ101シリーズでもこの音が出ないとなると、やはりアンプが決め手なのだろうと思います。

時を前後すると思いますが、当時秋葉原のLAOXで”BOSE劇場”なるものをやっていました。ひとつの宣伝方法なのですが、その内容がいかにもアメリカ的なのです。専用の小さなブースに入って15分くらい、BOSEの歴史やスピーカーの性能などの広告が上映されます。その間前面左右にある大型のスピーカーで迫力のある音楽を流しているのですが、上映が終わって最後の段階で、この大型スピーカーがくるっと裏返しになって、中から手のひらサイズの小さなスピーカーが出てくるんです。最後に驚きと感動を与えるこのプレゼンテーション、なかなか上手いなぁと思って何度も見たのは、良い思い出です。

戻る

inserted by FC2 system