こだわりの一品



■第45回 2008.11.29 レトロコンピュータ

私が初めて個人用コンピュータというものを認識したのは、小学校の頃、親が買ってきてくれたすがやみつる先生の、”こんにちはマイコン(ゲームセンターあらしが主人公の漫画)”からスタートしたと言って良いでしょう。当時は漫画に載っていたPC-6001しか知らなかったのですが、中学生になるとともに駅前の電器屋さんに通うようになり、様々な機種に出会うことになります。何も知らない当時は、形だけでお気に入りの機種を決めていたものでした。ホビー向けの一体型コンピュータ(PC-6001とかPC-8001、FM-NEW7)から、キーボード分離型の高級機まで、マイコンショップには宝石のように数々の機種が並んでいたものです。

これだけ興味を持っていたものの、当時道楽用途に高級コンピュータを買うなんてことは夢のまた夢、雑誌で情報を集め、マイコンショップや友人の家で弄らせてもらっていた程度で、実際にまともなマシンを購入するようになったのは大学生以降です。


そして大人になり、インターネットが普及した今、過去の名機を買い漁りはじめてしまうのです・・・。それでは、私の秘蔵レトロコンピュータを紹介しましょう。


PC-8801mkUsr (新品同様)
8ビットパソコンのデファクトスタンダードとなった機種です。前世代機からサウンドとグラフィックを強化し、ホビー向けとして一斉を風靡しました。店頭デモの出来が良く、繰り返し何度も見たものです。ライバルのX1turboやFM-77と比較し、性能面で秀でている部分は少ないものの、最新機能をいち早く搭載したこと、8ビット機の処理能力に相応しい性能バランスが、市場に受け入れられたのだと思います。細かいところですがFDDは後にも先にも無い、独特なデザインのドライブを採用しています。これはおそらく、縦置きにしたときにmkIIとは逆向きに立てるようになったため、FDDのレバーが上方になるように設計したためだと思います。こういう例は、EPSONの98互換機にも見られます。


PC-8801mkUMR (新品)
実は私にとって、こちらの機種の方が衝撃的でした。SRから1年経たずに廉価版FRと、機能強化版のMRを同時発売してきたのです。こういう上位互換機なんかに惹かれちゃうんですよね。ディスクのアクセスランプが緑や赤に光ったり、アクセス音がガチャガチャと煩いのが、また機械っぽくて好きでした。時代的に拡大指向にあった頃でしょうか?他社も対抗して、X1turboモデル40やFM-77L2/L4など、高級機のラインナップが増えていきました。この頃より、毎年秋に品川のパシフィックホテルで開催される、NECパソコンフェアに行くようになります。地味にコストダウンも始まり、CMTインターフェースやモノクロ出力が省略されました。縦置きが廃止されて固定用の足と横から出るキーボード端子(本来は横置きの時使うはずのもの)も無くなりました。ただし構造は同じなので、底面までカバーされた美しい造型は保っています。




PC-88VA (新品)
忘れもしない、公立高校受験日の早朝、朝刊の一面広告を見て衝撃を受けました。8ビット機のPC-8801が、なんと16ビットになって登場!スペックを見るとビジネス機のPC-9801とほとんど一緒です。興奮がクライマックスになると同時に友人から電話が。”見た?””見た。” これだけで話が通じました。雪の降る3月に池袋のイベントまで実機を見に行き、その後友人はこれを購入、私は時々遊ばせてもらいました。同時期に登場したSHARPのX68000に、性能面でも話題面でも先を行かれ、メジャーになりませんでしたが、使い様によってはもっともっと日の目を見ることが出来た機種ではないでしょうか。夢を見させてくれた時代の、大好きな機種の一つです。

だいぶ後に自身も中古で購入するのですが、もう時代はPC-98に移りつつありましたね。


使用中のPC-8801mkUMR (中古)

実はもう処分してしまったのですが、MR大好きなので保存用に上記の一台、遊び用に一台持っていたこともありました。とは言っても今更何をするわけでもないんですけどね。懐かしさだけで時々動かしたりしてたもんです。


中古で買った88VA(上のとは別です)

買った時点で既に時代遅れの機種でしたが、初めてのディスクベーシックが便利でそれなりに遊びました。このまま進化していけばどんなに面白かったことだろうか・・


中古で買ったX68000ACE

市販のソフトはX68000が群を抜いて出来が良かったですね。特にアーケードの移植モノは家庭用ゲーム機を超えて最強でした。当時どうしてもクレイジークライマーがやりたいだけで買ったようなもんです。クレイジークライマーは最終的に基板まで買っちゃいましたね(処分してしまいましたが)。


(おまけ)私の過去の歴代全PCを紹介します。

1984年頃 セガ SG1000U+SK1100+BasicレベルU(メモリ3KB) これと友人のカシオPB-100でベーシックを覚えた。
1985年頃 CASIO MX-10(MSX) 安かったので近くのプラモショップで購入。
(この頃までは浦和コルソのLAOX、浦和マイコンランド、南浦和LAOXが活動範囲)
1988年頃 PC-8001mk2SR 何を血迷ったか。新古品15000円。
(秋葉原という夢の街を知る。他にもレンタルソフトショップや渋谷マイコン流通センターなど)
1992年頃 PC-88VA 既に過去の機種になっていたが急に欲しくなって中古を5万で。
1993年頃 PC-286LE ラップトップの98互換機。中古を数万円で。
1993年頃 X68000ACE クレイジークライマーがやりたかった。
1994年頃 PC-9821Be 趣味&レポート用途に使用。まともに使い始めたのはこのあたりから。新品。
(まだまだPCの進化が遅く、中古屋が流行っていた。バッタ屋も点在。)
1997年 EPSON Vividy VM2000 長い沈黙を経てDOS/Vへ。最高級な機種が欲しくてモニタ+机+椅子で50万円!
1997年 Gateway2000 MMX166MHzを仕事場で。
1998年 初代自作機。セカンド機として使用していたが、中身が4世代ほど変わって今でも現役。
1999年 仕事場のマシンを更新(メーカー製で良いのが見当たらず、自作だったような覚えが)。
1999年 DELLのノートを10万くらいで購入。ほどなく売ってしまう。
2000年 CompaqのPen2モデルを中古3万で購入。SCSIやMOドライブなど、中身が役に立つ。仕事場で使用。
2002年 SHARPのノートPC(WinXP)を20万程度で購入。しぶとく現役。
2004年 IBM ThinkpadX31 仕事場のマシンを更新。24万くらい。2008年に●●するまで使用。
2005年 ショップブランドのデスクトップPC 某国にてフルセット新品を3万程度で購入。
2005年 PC-8801mk2MRを購入 オークションで数千円。数年経て処分。
2005年 PC-8801mk2SR(新品同様)を購入 オークションで数万円。数年後に手放す。
2005年 PC-88VA(新品)を購入 オークションで4万円くらい。
2005年 PC-8801mk2MR(新品)を購入 オークションで9万円くらい。
2007年 自作機の中身を更新(前回紹介)。
2008年 仕事場のデスクトップPC 事情(謎)によりショップブランドを選択。Core2Duo2.4GHz

2005年に狂ったようにレトロ機種を購入していますが、これは一種のストレス解消みたいなもんでしょうか。

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