こだわりの一品



■第50回 2009.02.03 ウォークマン&ヘッドホン

いつの間にやら50回を迎えました適当コーナー。今回は記念にちょっと多めの内容にします。私のコレクション歴の中でも、比較的早期に始めた商品、ウォークマンについて紹介します。

ウォークマンやラジカセが周囲で流行りだしたのは小学校高学年の頃でしょうか。それまでは音楽というと自宅の大型のプレーヤー前で楽しむものでしたが、持ち運べる商品になり学生を中心に大ヒットしました。小学6年の頃、同級生に初めてウォークマンを聞かせてもらった時は、何気ない普段の風景と迫力ある音楽のギャップに衝撃を受けたものです。



SONY WM-503

時は流れ、高校生になって初めて買ったのがこれです。猿のCMで有名(もう古いか)なWM-501の兄弟機で、それなりにデザインを吟味して購入したのですが、金属ボディが主流の頃、ちょっと大きめのプラスチック材料というのが安っぽく感じて買った後後悔した覚えがあります。この頃は重低音増が流行し、ウォークマンにも"D.B.B.回路"というものがが搭載されました。初めて買ったウォークマンなのでそれなりに思い入れがあり、メンテナンスをしながら丁寧に使っていましたね。今でも箱ごと持っています。



SONY WM-150

上で述べたように、何となく金属ボディへの憧れがあったので、その後出た安価モデルWM-150を購入しました。機構的にもコストダウンが進んだせいか、なんだか安っぽく見え、そんなに愛着がありません。音は標準的です。



SONY WM-701C

たまたま、少年誌か何かの懸賞に応募したら当たったものです。この頃、他社ではリモコン機能が当たり前になっていたのに対し、SONYは一部機種だけにしか採用しておらず、また機能もお粗末なもので、相変わらずメカニカルなスイッチ動作のものが主流でした(今考えるとそれが良かったような気も)。そこで遅れを取り戻すべく開発されたのがこの機種です。

本体は超薄型軽量になり、電磁スイッチのフルリモコン付きとなりました。極限まで小型化を目指したせいか、ヘッドホン端子が専用となったり、充電池はカセット蓋を開けないと交換できなかったりと、ちょっと無理があるようですが、それも含めて新世代ウォークマンとして登場しました。音はバツグンでWM-503を超えていたと思います。ドルビーCも標準搭載です。

結構電池食いで、充電池では2.5時間しか持たないのが残念。付属のヘッドホンは、本来MDR-E484(後述)似のものがついているのですが、音質を向上すべく、MDR-E575のイヤフォンユニットに付け替える改造をしています。



SONY TPS-L2

なんとウォークマン初号機です。当時質屋めぐり(今で言うリサイクルショップめぐりでしょうか)が好きだった私は、休みの日となると東京を中心に各所巡ったものです。そこで見つけたのがこれ。カセットサイズの流行機とかけ離れた大きさのウォークマン。まさしく一代目という感じです。

少し調子が悪かったので一度修理に出しました(90〜92年頃)。修理センターの人から、”もう古い機械で部品なくなっちゃったからこれが最後ね”なんて話をされましたが、この機種の修理話は結構Web上で見かけるので、嘘だったかもしれません。

面白いのは、この機械の設計がプロフェッショナル機のWM−D6、WM-D6Cに受け継がれていること。D6系はファンが多く(確か実家にもあった)、83年に発売以来、2000年くらいまで販売されていた記憶があるので、初号機の設計の良さが受け継がれていると言えるのではないでしょうか。



SONY WM-101

実は当時、ずっと探していたのがこのモデルだったんです。私がウォークマンに求めていたデザインは、ウォークマンらしさ、というのでしょうか。ただの機械ではなくて、ちょっと遊び心のあるデザインが好きだったのです。様々な機種を見てきたなかで、このように大胆に斜めの窓を配置するというのは、インパクトが強く衝撃的でした。

これもずっと質屋めぐりをしている中で見つけたものです。発見したときは飛び上がるほど嬉しかったことを覚えていますね。ボディを新品に蘇らせようと、パネル交換してもらったのですが、蓋開閉の機構が変更になっていました。前期モデルと後期モデルでは設計が若干違うみたいです。

この頃のモデルは、テープ回転機構のギヤ部分が表側から見えるようになっているのも、ウォークマンらしくて良いですね。




SONY WM-DD9 MDR-E484

時代はバブルが弾ける寸前、日本の製造業が最盛期を迎えていた頃と言って良いでしょうか。再生専用のプロフェッショナルウォークマンにも最高級機が登場しました。細かいことを言えば、録音できるタイプのD3、D6Cなどがずっと現役でしたが、私にとってウォークマンは”録音できない”というのも購入条件の一つでした。機械のことは良くわかりませんが、不要な機能を省いて小型化したこと、また再生専用ヘッドで音質を追求した、というのがウォークマンの意義だと思っています。。

外観面では、2mm厚もある金属ボディ、標準仕様のヘッドホン端子、充電池・単三電池併用と十分すぎる内容(分厚くて重いのが欠点)、性能面ではダブルガーターファインギャップEXアモルファスヘッド(長い!)、ダイレクトドライブモーター2機搭載、重低音は改良型のEX D.B.B.回路、さらにヘッドホンは準高級機のMDR-E575が標準付属と、至れり尽せりの内容でした。

コレクター魂に火がついた私はこれに満足せず、私は独自に付属ヘッドホンを最高級のMDR-E484に変更し、当時考えられる最高の組み合わせで未使用のままコレクションとしました。このMDR-E484は、今でもファンがいるくらい人気ですね。本体、ヘッドホンともこの機種をピークに、ゆっくりと下り坂に向かうことになります。


[写真なし]
SONY WM-EX78

ほぼ未使用のままどこかにしまってあります。91年頃に出始めたホールドシャッターと、黄色と緑のポップな組み合わせが気に入って購入しました。この頃は既にコレクション目的化していて、実際には使わないものが多くなりました。



SONY WM-609

以前から密かに欲しかったモデルです。年代的には、WM-501や701Cに近いモデルなのですが、設計が古く、リモコンウォークマンとして初登場したWM-109、WM-509からあまり変化なく進化したモデルです。リモコン付きと言っても、リモコン操作できるのは再生、停止だけで早送り、巻き戻しは本体のスライドスイッチ(メカニカル)で行う必要がありました。

何が良かったかというと、メカニカルな仕組みのまま再生、停止だけ電磁スイッチコントロールにしたせいで、テープが停止してもしばらくモーターが回りっぱなしというその機構です。そこに原始的なコンピュータのようなものを感じていました。

後にオークションで未使用品を入手したのですが、そういう経緯で入手したものってやっぱり思い入れが無いものですね。しばらくして再放出してしまいました。



SONY WM-51

国内最安価モデルとして、2万円を切る価格(確か19000円だったと思う)のウォークマンがラインナップされていました。ウォークマン”ヒップ”という名称で、WM-50→51→52と進化していきましたが、51のこのデザインには惹かれるものがあり、後になってから質店で購入しました。何色か用意されていたのと、ヘッドホンが内蔵されていたのが特徴です。モノとしての完成度は高い感じですが、充電池が使えず、重低音回路が無かったりと、前世代の性能なのが残念です。


[その他]
アイワのカセットボーイに憧れていた時期があります。他、シャープとパナソニックを買ったような。シャープは音が悪いイメージですぐに処分したかな?パナソニックのは下手するとSONYより音が良かったように記憶しています。



SONY MDR-E444(左) MDR-E575(右)

ヘッドホンにもやたらと興味があり、色々購入しました。一番最初に買ったWM-503は、本体が白色だったのに、付属のヘッドホンが黒だったので、色を合わせて白にしようと思って買ったのがE444です。当時の標準的なモデルなのですが低音が今ひとつで、結局付属品(MDR-E464と同等だと思う)に敵いませんでした。

E575は、後に重低音を求めて購入したものです。これもお気に入りの一点ですね。



SONY MDR-E454?(一般販売E464相当品)

重低音が流行りだして以降、しばらくはこれがウォークマン標準付属のヘッドホンとなりました。大口径のスピーカユニットで、低音が素晴らしかったです。ウォークマンの人気を支えた要因としては、付属ヘッドホンが優秀だったということもあるでしょう。これだけは他社と一線を画していました。



MDR-E222?

廉価版ヘッドホンです。入手経緯は覚えていませんが、秋葉原あたりでジャンクとして転がっていたような。未使用状態ですが、製品版のE222とは少し違うようです。見た目からしても、MDR-E444より劣ることは間違いありません。

また、だいぶ後に高級機種の後継機であるMDR-E888というのも買いましたが、全盛期の迫力がなくなってしまい残念です。ウォークマン、ヘッドホン、ソニーのオーディオは90年初期に終わってしまったような気がします・・。


・・・・
いつの頃からか、ポータブルカセットプレーヤーで音楽を聞かなくなりました。ディスクマンはそれほど流行ったとは言えず、ポータブルMDプレイヤーも録音目的で買った程度ですね。インターネット時代を経て、現在はiPodを代表するシリコンオーディオプレイヤーが主流になりました。ウォークマンブランドも辛うじて生き残っていますが、普通名詞化していた昔ほどの熱気はありません。音質を追求しなくなったということもありますし、音楽自体も衰退しているのかもしれませんね。

私にとっては、カセットテープはいつまでも現役でいて欲しいメディアのひとつです。録音、再生がボタン一発で瞬時に行えること、早送り、巻き戻しの位置が時間感覚で分かること(特に言語学習用途に最適)など、結構便利なものだと思っています。


おまけ

SONY Metal Master 46

最高級カセットテープです。ボディがプラスチックでなくセラミック製だったと思います。ソニーはこの頃、カセットテープも極めていましたね。ノーマルはHF、HF-X、HF-S、HF-ES、HF-PRO、ハイポジがUX、UX-S、UX-Prp、UX-Master、メタルはMetal-S、Metal-ES、Metal-Masterと、充実したラインナップでした。テープを購入するだけでもワクワクしましたし、同じ音楽を違うメディアに記録して聞き比べるのも楽しかったです。今では唯一HFとハイポジ用のCDixが残っている程度で、寂しい限りですね。

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